2023日本ダービーを考察する②
皐月賞以外の前走の馬をみていきましょう。
スキルヴィング(青葉賞1着)
ハーツコンチェルト(青葉賞2着)
サトノグランツ(京都新聞杯1着)
パクスオトマニカ(プリンシパル1着)
シーズンリッチ(毎日杯1着)
ノッキングポイント(毎日杯2着)
以上6頭です。
じつはこれも『2勝以上かつ重賞連対』が条件となります。なんて予想が簡単なレースなんだ!日本ダービー!!
残るのは
スキルヴィング
サトノグランツ
ノッキングポイント
の3頭です。
ドゥラエレーデに関しては、帰国後初の国内レースということで割引です。さすがにここで3着内にくるという予想はしづらいですね。データ派としては。データ上は残りますよ。2勝してますし、前走のUAEダービーはGⅡですしね。でも、、、買えないなあ。。。でも残しておきますか。せっかくですから。
というわけで、いまのところ7頭まで絞られました。
ソールオリエンス
フリームファクシ
ファントムシーフ
スキルヴィング
ノッキングポイント
サトノグランツ
ドゥラエレーデ
以上の7頭です!
。
2023日本ダービーを考察する①
いよいよ東京優駿の季節です。わたしこの『東京優駿』という表記が大好きでして。歴史を感じますよね。今はもうダービーというフレーズがいろんな場面で用いられるのでもどかしくて。G1レースを予想するのがとても大好きなんですが、もちろん平場も好きですけど、なんとなく神がかった結果が多いような気がしているんです、ことG1に関しては。オカルトやサインなどいろんな表現がありますが、0 ではないな、と。なので、一生懸命調教や訓練、育成などをしている関係者の皆様には申し訳ないですが、ズバリデータ派のわたしとしては、どんなに調子が良くても、素質がよくても、傾向と対策でもって一刀両断なのです。それを踏まえて予想をし、外してしまうのも これ競馬の魅力でして。データだけでは推し量れない~っていうジレンマも好きなんですね~。
さて、第90回日本ダービーです。
データ対象は2009年以降です。
前走のデータです。
皐月賞 31頭
青葉賞 5頭
京都新聞杯 4頭
プリンシパルS 1頭
毎日杯 1頭
では皐月賞から見ていきますが、じつは皐月賞までの過程が大事でして。
・弥生賞は4人気4着内(あまり気にしなくてよい)
・弥生賞前が1着(これ重要)
・2勝以上プラス重賞で連対経験
・弥生賞までに2勝
弥生賞1着馬のタスティエーラですが、弥生賞前が4着ですし、弥生賞が2勝目になるので消しです。弥生賞2着馬のトップナイフは弥生賞までに2勝してますが、弥生賞前が2着なんです。ただホープフルSでG1なので多めにみてもいいのですが、どの馬も1着馬ばかりなので、こんかいは消しです。それがデータってもんです。同様にグリューネグリーンも脱落です。
ポイントは皐月賞の結果ではなく、弥生賞までの過程が大事ってことです。ダービーを見据えているのか、仕上がっちゃったので確実に重賞を勝ち切るのか というところです。
・皐月賞までに2勝プラス重賞連対
これによりファントムシーフが残ります。
・皐月賞までに2勝プラス重賞連対2回
これは割とスプリングステークス組ってローテが過酷な馬が多いんですよね。実戦で鍛えていってるというか。今回の該当するベラジオオペラ、ホウホウビスケッツ、メタルスピード いずれも脱落です。
※皐月賞前走それ以外 9頭
・皐月賞前走が1着
・皐月賞までに2勝
・重賞で連対経験
今回はシャザーン、ショウナンバシット、ソールオリエンス、フリームファクシ、といますが、シャザーンもショウナンバシットも皐月賞前は勝っているし2勝しているんですが、重賞連対未経験ということで消しです。
前走皐月賞組で残っているのは、
ファントムシーフ
ソールオリエンス
フリームファクシ
の3頭です。
(つづく)
。
オークスを考察する2023③
さて、最終コーナーです。
残る馬は
ライトクオンタム
リバティアイランド
ソーダズリング
ミッキーゴージャス
ハーパー
ドゥアイズ
の六頭です。
ここで気になるのは唯一のフローラ組。ソーダズリングです。不安要素は(1)乗り替わり(2)キャリアの少なさ(3)ハーツクライ×シンボリクリスエスの成長度 です。
①にかんしては戻るだけなのでそう考えすぎなくてもいいですが、前走の負け方がなんとなくひっかかりますね。②は2009年以降フローラS組で1勝馬は11頭中3頭しかいないんですが、キャリアが7戦が2頭、4戦が1頭なんです。4戦の馬は2013②着のエバーブロッサムですが、重賞②着の経験がありました。今回のソーダズリングは『3戦1勝』なんです。未勝利戦②、未勝利戦①、フローラS①というキャリアですので、ここは切らせていただきます。後ろ髪ひかれますがね。
同じようにミッキーゴージャスもキャリア不足で切りですね。
残るは桜花賞組4頭です。結局。
リバティアイランド(父ドゥラメンテ)
ハーパー(父ハーツクライ)
ドゥアイズ(父ルーラーシップ)
ライトクオンタム(父ディープインパクト)
。
オークスを考察する2023②
さて続けます。今残っている馬たちは以上の九頭なり。
ライトクオンタム
リバティアイランド
ゴールデンハインド
コナコースト
ミッキーゴージャス
ハーパー
ペリファーニア
ドゥアイズ
イングランドアイズ
ソーダズリング
(データ対象は2009年以降)
前走桜花賞の馬で、その前の出走レースは多い順に、
チューリップ賞10頭
クイーンC6頭
シンザン記念1頭
きさらぎ賞1頭
エルフィンS1頭
となります。
基本的にそのレースじゃなきゃダメ、ということではなく、ここからは各レースの着順を見ていこうと思います。
各1頭ずつのレースに関してはすべての馬が1着でした。ですので、『クイーンCやチューリップ賞以外のレースに出走した馬は1着であること』という条件にします。また、そのまた前走も新馬戦や未勝利戦、1勝クラス戦にはなりますが、どれも1着なんです。つまり、
1)桜花賞の前走がクイーンCとチューリップ賞以外の馬は連勝中であること。
クイーンC 六頭中 1着五頭、2着一頭 人気はいずれも1~2人気内。しかしもっとよくみると、クイーンCを連対だけではなく、その前走も連対しているのです。桜花賞の結果は度外視。クイーンCとその前走を連続で連対していることが条件となります。
2)前走クイーンCの馬は連対が条件であり、かつその前走も連対していること。
チューリップ賞 十頭 すべて4着内 といいたいところですが、一頭だけ11着という馬がいます。しかしこの馬は新馬1着エルフィンS1着で桜花賞も2着というつわものでした。
しかしチューリップ賞に関しては、着順ではなく、ローテーションに着目しました。チューリップ賞の前走が阪神JFの馬が六頭。それ以外が四頭ですが、すべて1着です。JFの馬は着順は問いませんが、しいていうなら『4着内』でしょうか。
3)桜花賞の前走がチューリップ賞の馬はその前走が阪神JFで4着内か、それ以外のレースで1着が条件。
前走がフローラSの馬は11頭いますが、その前走が条件戦の場合は連対、フラワーCの場合は三頭いますが、すべて3着内です。
つまり
4)フローラSの前走が未勝利戦、1勝馬戦の馬は連対が条件。また重賞の馬は3着内が条件である。
さて、残っている馬は
リバティアイランド(桜花賞1着)
ハーパー(桜花賞4着)
ドゥアイズ(桜花賞5着)
ライトクオンタム(桜花賞8着)
ほんでもって どれにもあたらないうまミッキーゴージャス
の六頭です。
以下 次回
オークスを考察する2023①
夏っぽくなってきました。いよいよ春競馬も佳境。ここのところ若い競馬ファンが増えたせいか、見識が非常に理論的で、なんとなくで馬券を買う方が肩身狭い思いを抱きますね。例えば自分の誕生日だとか、好きな数字だとか。G1に関しては結構オカルト的な要素や、結果的に因果関係が説明できそうな展開がよくみられるものです。なので、理論だけでは片づけられないのが競馬 とわたしは思っております。
さて、オークスです。
1600→2400への距離延長に対する見解をお持ちの方がまだまだおられるようです。わたしとしては体制に身をゆだねる体質ですので、JRAのレース体系におまかせです。
今回はわりとシンプルな謎解きです。(データは2009年以降)まずは桜花賞出走馬と不出走馬の違いです。
前走桜花賞の馬は着順が、
1)4着まで。
2)5着以下は3頭。いずれも4人気内。
つまり好走したのか、人気になるくらい良馬なのに大敗してしまったのか、というデータです。これで結構消えます。
ラヴェル 10人気11着
キタウイング 12人気12着
ドゥーラ 8人気14着
エミュー 15人気10着
シンリョクカ 9人気6着
の五頭が消えます。
つづきまして、前走桜花賞以外の場合。
1)G1以外は5着内
2)前々走が条件戦の場合は1~2着
3)前々走が重賞の場合は4着内
消えるのは
キミノナハマリア
ヒップホップソウル
レミージュ
の三頭
残ったのは
ライトクオンタム
リバティアイランド
ゴールデンハインド
コナコースト
ミッキーゴージャス
ハーパー
ペリファーニア
ドゥアイズ
イングランドアイズ
ソーダズリング
の十頭です。
以下 次回です。
。
『赤いドレスの女』 ~昨日見た夢の話~ 1
これは夏かな、いや 秋の まだそんなに寒くない夜…のはず。そう、夜は確実なんです。だってあたりは暗かったから。夏か秋か迷うのは 恰好がね、人々の。ズバリとは言い表せない、そんな装いなんです。暑くて仕方のない薄い木地ではないし、かといって 見た感じめっちゃモコモコで 首をすくめたフォルムでもない。だからこれは夏と秋の間の話。と、夢に季節感を持たせてもねぇ。果たしてそれが真実ではないのだから、かなりいい加減な描写でいいはずなんですけど、あまりに鮮明な動画だったもので。鮮明だからこそ、何月何日ころ!ってはっきり言えないんですよね。秋っぽい夏のような、夏っぽい秋のような…。
しかし なぜこんな夢を、いや なぜあんな夢を見たのか。。。本当は今日はお薬をもらいに病院に行かなくてはならないのに、こんな文章を書いてしまっているのは、一日の過ごし方として正しいのか誤っているのかわからない23時。とりあえず思うがままに昨日見た夢の話を整理してみようと思う。
地元の夏まつりにわたしは妻といた。夏祭りといってしまっているので、季節は夏なんでしょうね。ビールを飲んでる方が多かったもの。商店街の車通りを封鎖して、歩行者天国のような感じでテーブルやイスを並べて、まあ言ってみれば”ビアガーデン”のような。そんな感じが一番近いかしら。あたりは薄暗いけど、まだ人の顔が認識できる明るさ。わたしと妻が選んだ場所は、カラオケのステージがあって飛び入りで誰でも歌えるようになっていた。でも誰も歌っていない。ただただみんな楽しそうに飲んで会話をしている。会議用の茶色い嘘くさい木目調の長テーブルにパイプイス。なのにみんなえらい着飾っている。姿だけはまるで社交界のパーティのよう。地元の夏まつりの屋外ビアガーデン風出店の集まりなのに。違和感もそうそうにひときわ目立つ女性を発見。即、妻に報告する。
「あれ、西野七瀬じゃねえ?」
体にフィットした赤いドレス、髪はアップしてセット。誤解を承知で表現すると、社交界というよりは、キャバクラ嬢のような出で立ち。なぜならめっちゃ煙草をくゆらせていたから。それがまたその場になじんでいた。イスには座らず長テーブルに手にしたバッグを置くようにしてバランスを保ち、左の手で煙草を口に運んでいた。その女性が西野七瀬なのかどうかは認識をされていないようだが、その目立ちようは紛れもない本人であるかのよう。どこかつまらなそうに愛想笑いを続け、視線は定まっておらず手持無沙汰を絵にかいた女性が田舎の夏まつりに参加していたら、そりゃ悪目立ちしますって。案の定誰かが、おそらくおっさんと世間的にカテゴライズされる男性っぽい声が西野七瀬(仮)にかかる。
「おねえちゃん、一曲歌ってよ。」
おぉ、おっさんと呼ばれる世代の男性よ、よく言った。わたしもおっさんだが、それは言えなかったぞ。嫌われたくないし、目立ちたくもないもの。すると七瀬(仮)もまんざらじゃない様子。えぇ~といいながら煙草を消そうとしてるもの。ちょっとニヤッとしたように見えたし。待って待って、ここで西野七瀬の歌 聴けるの?おっさんナイス!と思い、ちょいとイスから腰を浮かせたところで今度は野太い女の声。
「やめときなさい。」
あなたの歌声はお金になるんだから こんな田舎の地元の夏まつりでなんか歌う必要ないわよ、的な一言。七瀬(仮)の隣の隣でパイプイスと長テーブルに窮屈そうに挟まれて座っている これまた薄い紫色のドレスを着た女。七瀬(仮)の母親のような年配の方。マネージャーにしては恰好が派手すぎるし、髪型も19世紀の社交界のようなボリューム。手にしてるのはうちわでは無くビアジョッキではあるが。その後も手で制するように七瀬(仮)の歌心を刈りとる。今日イチのつまらなそうな顔が七瀬(仮)を覆う。
まつりに集まった人々の喧騒がその会話の音量を下げるように盛り上がっていく。おっさんのかけた声がただの雑音のひとつとして流されていく。まつりというにぎやかな空間が人間の平時に保つ心拍数を問答無用に高揚させていく。怪しげなドラッグのように。そこにはちょっとのお酒と煙草とつまみのような食べ物があれば、日常から飛ぶことができると誰かが教えてくれているような秩序が見え隠れする。保てることができる者だけ日常のいわゆるフツーの暮らしに戻ることができるが、そこから異空間へと誘われる者は、いよいよ非日常を日常とすり替えることとなる。その狭間がこのまつりにはいたるところにはびこっている。そんなことを再認識させてくれる言葉のやり取りだった。ある意味おっさんの一言が秩序を壊すもので、マネージャーのようなおばさんが放った一見愛想がなさそうな返し文句が秩序なるものなのか。七瀬(仮)はいわばいつでもそのあいだで翻弄される人間の赤裸々な姿だったのかもしれない。そうだ、いろんな創作物でよく見かける 頭の中の天使と悪魔のささやきのような。逡巡している七瀬(仮)も愛らしいものだ と思いながら、スマホを手に取り彼女に向けた。やっと周りの人もその存在に気付いたのか(いやこんな田舎では西野七瀬という存在はあまり浸透していないであろうから、単に目を引く容姿に”有名なひとなのかしら” という好奇の目が向いただけなのだろう)何人かスマホのカメラを彼女に向け始めた。するとまたさっきのおばさんが声をあげた。
「あ、写真は勘弁してください。」
体で制してさえぎるわけでもなく、撮影しようとする輩に近づいてくるわけでもなく、その握ったビアジョッキをピクリとも動かさないまま首だけをわたしたちに向けて、一団を一瞥して放った言葉だった。語気は強くなく、かといって ため息交じりの言い飽きたようなあきらめ半分でもなく、淡々といつものように”決まり文句”を操る。これはマネージャーだ。母親がそんなことは言わないだろう。いつもお世話になってます、ならわかる。七瀬(仮)が極端に目立たないように自分も着飾っているのだ。おや、このまつりは何やらハロウィーンのようだなと気づいたのはそのころだった。そうだ、これはハロウィーンなのだ。田舎の町内まつりではなく、正式なフェスティバルなのか?そうこうしているうちに、七瀬(仮)はまた煙草に火をつけてよりつまらなそうに煙をくゆらせている。さっきから煙草を吸っているさまが自然な所作には見えなかったので気にはなっていたが、”きっとこれは役作りだ”と確信するまでは時間がかからなかった。七瀬(仮)はたんに何かの撮影中でその休憩中にこのまつりに寄っただけなのだ。おそらくスポンサーか関係者に誘われてこの場に来ただけで、本当はまた戻って撮影が始まるのだ。どうりで姿が完璧なはずだ。だって映画の撮影中だもの。で、マネージャーらしきその女性もその共演者なのだろう。ビールを飲んでいるのは不思議に思ったが、芸能人だから常識は通用しないだろうから余計な推測はやめた。わたしの推測が正しければ、煙草を吸う練習をしている七瀬(仮)の行動はかわいらしく思えた。あぁ、不機嫌そうなその表情も演技なのだ。きっと心の中ではこのまつりを満喫したいに違いない。わたしは妄想に掻き立てられてその赤いドレスの女をずっと眺め続けた。
妻はさっそく今宵の宴のシステムを把握しようとしていた。一定金額を支払えば食べ放題飲み放題、商品も買い放題らしい。屋台では焼き鳥やお好み焼き、おでん、いちごあめ、フランクフルトなどの定番商品から見たことのない肉の塊に棒の刺さったものや気色悪いカラフルな色を配したジュースなどさまざまだ。食べ物以外にもちょっと変わった雑貨まで種類豊富に販売されていて、小さな子からいい年こいたおっさんまで楽しめる空間だった。そしてそれは一晩中、朝の五時まで続くようだった。なんというイベント!さすが夢の世界。しかしながらカラオケステージではいまだ誰も歌うものはいない。よくよくみるとなにやらカラオケのためのリクエストボックスが置いてあることようで、歌いたい人は曲のコードを書き込んで投函しておけば順番で回ってくる昭和のシステムじゃないか!さっそく西野七瀬の曲をリクエストして投函した。急にかかったら歌うんじゃないか、と無茶を承知で投票してみた。しかし一向に曲はかからない。西野七瀬の曲どころか、何もかからない。あるのはステージだけ。歌声は全く響かずに、人々の話し声や笑い声、男性特有の音階の低い声(腹に響く太い声)と女性ならではのキーの高い声(頭蓋骨に反響する乾いた声)など不規則なリズムが織りなす有機質な音が夜の空に大きな丸いドームを作りあげていた。わたしたちはそこで守られ、まつりを楽しむ という風紀の元、いつまでも時間を止めていた。慌てることもなく、焦ることもない。ゆっくりとそれぞれのマイペースで事は進んでいく。帰りの時間にとらわれなくてもいいし、なんなら明日という日がやってこないような気さえしてくる。
夜の闇が時間とともに深くなればなるほど、その黒は黒を重ね、七瀬(仮)の身を纏う赤はより鮮明に、そして非日常を演出していく。その七瀬(仮)はというと、座る気配はちっともなく絶えず立ったまま誰と会話するわけでもなくただただ煙草を吸うのみ、というか煙草をその手に挟んだまま。吸ってもないし、減ってもないし、いつまでも同じ姿勢のまま静止画のように動かない。いや、動いてはいる。同じ動きを繰り返していると言えばいいのだろう。おろした左手の人差し指と中指で煙草を挟み(この挟む位置が絶妙で、いわば指の”絶対空域”を作り出しているのだ)右手でポーチをつかみ首を左に右に誰かを探すように振り続けている。なるほど、写真に撮ったところでそれは意味がないことがわかる。そもそも写真を撮るという行為は自分にとって感動的な場面を切り取るという作業に過ぎず、同じ空間にいることができなかった人(家族や友人、知り合いなど)に自慢というか共有させるためのツールなのよ、所詮。感動の押し付け、というのは安易な表現でもっと自分本位なものだ。要は写真を撮った時点ですべて動機は満たされているのだとしたら、もはや撮らなくてもいいのだ。”写真を撮るな”という指摘はつまり、その肉眼の角膜に焼き付ければスマホのアルバムなど開かなくても目を閉じればそこに浮かぶでしょ?だから直接その目で見ておいたほうがいいのでは?というありがたい指南なのだ。そうでしょ?七瀬(仮)よ。そして紫のおばさんよ。だから同じポーズを繰り返している。わたしたちの目に焼き付けるために。まるでGif画像のようで、それでいてバグってるようにも見えるが。握手してもらう人、サインしてもらう人、それもみなおんなじ。知り合いに自慢したいだけ。共有できないものを手に入れることこそ、その場にいる特権。だから七瀬(仮)の歌が聴きたかった。わたしはリクエストを繰り返した。きっとおそらく七瀬(仮)も歌いたくて仕方ないのであろう。まつりの喧騒の元、どさくさに紛れて歌うことほど楽しいものはないではないか。妻はというと、支払った料金の分、元を取ろうとしていろいろな食べ物をかき集めてテーブルの上に並べていた。
妻の背中、七瀬(仮)の出で立ち、まつりの提灯がならぶ夜の商店街。
七瀬(仮)の姿をそのカメラ的な機器に収めるために集まった輩は、いつのまにかどこかへ散らばってしまっていた。火事の現場に我先にと駆け付けておきながら、その火が鎮火したら何事もなかったようにスマホをしまい、どこかへいってしまう群衆のそれ。紫のおばさんの一言はそのくらい輩たちの心を冷めさせたのか、素直にいうことを聞いてそれぞれの場所へと戻っていった。ネットの炎上~鎮火のさまをほんの何分かで映像としてみることができたのは、ちょっとラッキーだったかもしれない。それでも七瀬(仮)のドレスはいまだ赤く燃え続けている。より強く。たばこの煙がちょうど鎮火された後のようで、どこまでも闇に覆われた空に吸い込まれていく。わたしは確実に七瀬(仮)の姿に目を奪われていたのだが、ふいにその煙の行く先を見上げ、首を空へ向けていた。雲が厚いのか月や星は見えず、黒みばかりでまつりの明るさを際立だせていた。そういえば、俺も煙草を持ってきていたな、と思い出した。小さな子どもに影響が良くないと車の中も家の中も禁煙で肩身の狭い喫煙者としては、こういう外のまつりはうってつけの場所に思えた。七瀬(仮)が持つように煙草を左手の人差し指と中指の第二関節で挟む。(指が細くないから美しさに欠けるなあ)ライターのバネに硬さを感じながら指に力をこめて右手親指で火をつける。煙草の先を近づけ、火がすぐ回るように多めに吸い込む。目の前の炎の赤が七瀬(仮)のドレスとかぶる。煙は空へと逃げるように向かっていき、広がるように消えていく。なんともなしにそのさまを見届けると、視線をおろしたその先にぼんやりと七瀬(仮)の姿が入り込んだ。オートフォーカスで七瀬(仮)の表情をとらえるとわたしと目が合った。上から視線をおろしてきたスピードで、そのままさらに下に首を向けていった。わたしの得意技である。決して人と目を合わせないように生きてきたわたしはその絶妙な背け方を会得していた。合ったとしてもそれが故意であるかのように素知らぬフリをする。それにしてもいつもは冷静に対処するのだが、このときばかりは動きが少し速かったかもしれないと後悔しながら煙草をもう一度吸い込んだ。煙に巻けたか。。。
普段街や出かけた先で知っている人と出くわしたとき、わたしは必ず会わない。認識していないフリをする。あいさつをするのが面倒だし、プライベートの時間が奪われた気がしてしまうからだ。ホント勘弁してほしいし、お互いにとってそれが礼儀だと思い込んでる。それがほんのひと時だとしても。妻は違うのだ。立ち止まって一定の時間話し込む。そして、話の中盤でわたしを紹介する。紹介が終わるとまた話の一時停止が解かれる。その間、わたしは何もすることがなく、立ち尽くすとか手持無沙汰とかいう表現がこれほど似合う状況はないと、いつも味わうことができる。あ、やることあったこともある。その久々に会った友人とのツーショットを撮らされたことが。マネキンからよくてカメラマン。わたしは妻の横で良き亭主でありたい。わたしはそういうのは苦手で、できれば誰とも会いたくない。しかしそれは無理。ではどうするか?早めに察知する。能力を測れるスカウターでも付いているのか、わたしは結構離れた場所からでも人物を把握できる。会うのが嫌だからだろうね。だから、歩く先を急に変えることもあるし、思い出したようにUターンすることもあるが、決して相手には悟られない自信はある。確認は取れていないがおそらく誰にも気づかれないままわたしは生きている。友人と楽し気に話す時間が終わった後の妻はどことなくつまらなそうだ。それは全世界共通なのだと自分に言い聞かせている。
七瀬(仮)にはわたしと目が合ったと認識されてないはずだ。興味があれば視線を戻すし、写真を撮りたがっていた輩は笑いかけるかもしれない。しかしわたしは違う。誰が相手であれ、こちらの動揺を悟られたくないのだ。うれしいうれしくない関係なく、相手ペースになることが恐ろしい。もちろんうれしいのだが。視線の外し方は自然に限る。あなたには興味のひとかけらもないんですよ、と伝えたい。目が合ったのは偶然ととらえてほしい。それにしても心拍数が上がっているのは相手が相手だからだろう、と少し冷静に分析しながら煙草の煙を見るように空中を視線がさまよい始めた。動揺、なのかこれが!わたしが動揺しているとは。妻に声をかける。
「お、けっこうおいしそうだね。」
食べ物や飲み物を集めるだけ集めて一向に食べる気配がない妻。テーブルの上に置くや否や、またどこかへと食べ物を探す旅に出かけてしまった。おかげでその現実感が心拍数を下げ、わたしはまた日常に戻ってきた。煙草を使わずため息のように息を吐いた。まだ息は白くならないほどの季節。わたしは西野七瀬と目が合った。。。 それは夢の中の夢のような出来事だった。
宝塚記念を考察する2021
ふとYouTubeを開くと競馬関連の多いこと!
。
それだけ”競馬”と”YouTube”の関係が良いと
いうことなのでしょう。共感を得るちょうど
よいステージ。お金もそうですが、ちょっと
した参考にするきっかけに。
わたしはというと、予想屋ではなく、
競馬好きの観点をあらゆる方向から見るのが
楽しいというコンセプトですので、ズバリ
”当たりません”!!
じゃあ何のために予想しているのでしょうね。
それはさておき、いろいろ書いていきますか。
先週のマーメイドステークス。
勝ったのは10番人気シャムロックヒル。
わたしはミスニューヨークと予想。
全然ダメじゃん!!
めげませんよ!!
出走は13頭。
阪神の2200mのレースをさかのぼってみると、
過去14戦(混合戦13)
そのうち牝馬が勝ったのが5戦(38%)
。
阪神芝2200mの勝ち馬の血統です。(父)
ヘイルトゥリーズン系10頭
キズナ3頭
ハーツクライ1頭
ゼンノロブロイ1頭
スズカマンボ1頭
ミスタープロスペクター系3頭
キングカメハメハ1頭
ルーラーシップ1頭
ワークフォース1頭
ナスルーラ系1頭
バゴ1頭
となります。
バゴはクロノジェネシスですので、
ほとんどヘイルトゥリーズン(HtR)と
ミスタープロスペクター(MP)に
席巻されてますよね。
ところが!
宝塚記念過去10年を振り返りますと、
HtR系6頭
MP系2頭
NR系1頭
ノーザンダンサー系(ND系)1頭
と割合は対外似ているんですが、面白いのが
HtR系なんです。
ステイゴールド3頭
グラスワンダー1頭
ハーツクライ1頭
と 以外にもディープインパクトの比率が
ちょい落ちるんですよね。
なんででしょう?
勝っていますが、その時の競馬場は阪神
ではなく 京都 だったのです。
本領を発揮できないのではないでしょうか。
(いいがかり)
あと昨年のクロノジェネシスをのぞいて
過去10年の勝ち馬はみなノーザンダンサー
のインブリードを持っていました。
過去1年の阪神2200mのHtR系の勝ち馬の
10頭中5頭がHtR系×ND系なのに、
宝塚記念では1頭も勝ててないのです。
HtR系が宝塚を勝つには
ND系以外の母父を持ち、
それでいてNDのインブリードを持つ。
これしかないのです!
今年の馬を見てみましょう。
レイパパレ
アドマイヤアルバ
カレンブーケドール
モズベッロ
以上の馬はここで消えます。
HtR×HtRは宝塚でも近1年でも来てません。
ミスマンマミーア
が消えます。
そして、過去10年の勝ち馬は
近四走で条件戦に出ていません。
重賞路線で走ってきています。
ゆえに
ユニコーンライオン
メロディレーン
シロニイ
が消えます。
。
残ったのは
ワイプティアーズ
クロノジェネシス
キセキ
の3頭です。
ただし、ワイプティアーズは消しです。
G1初挑戦で勝った馬はおりませぬ。
つまり、勝つのは
クロノジェネシスか
キセキか なわけです。
さて、泣いても笑っても勝つのは1頭のみ!
後継としての自覚にめざめ、
今年の成績をより飛躍させたい
これまでは同馬の現役時代のように善戦も
苦杯をなめ勝ちきれない成績に似た馬が
よく目につきましたが、ここへきて
キセキが 壁を壊します。
宝塚記念、勝つのは キセキです。
。